URTA代表の海野優です。いつもブログを訪問いただきまして有難うございます。さて、近年は企業・大学・研究機関・官公庁等の国際化が進み、海外留学・出張・赴任経験がある方も増えていますが、米国での生活は初めてという方も多くいらっしゃると思います。そこで、今回は米国での新生活の立ち上げの際に知っておくと便利な情報を紹介させていただきたいと思います。

1. 現金決済、両替について
米国では商品の購入や各種サービスへの申し込みの際には、主としてクレジットカード、デビットカード、小切手が使われています。日本では現金決済が主ですが、米国では偽ドル紙幣の存在もあって、一般的に高額紙幣(100米国ドル札)の利用は断られるケースが多くあります。また、仮に受け取ってもらえても目の前で光を当てて透かしたり、蛍光ペンやマジックで色を着けるなど、本物の紙幣かどうかを念入りに確認されます。ゆえに、米国に渡航される際にもし両替をされるのであれば、利便性の最も高い紙幣である20米国ドル札を中心に両替をして貰うことを強くお薦めします。成田空港などにも両替所がありますが、出国客が殺到するのと、空港内のATMでは日本円の出金制限がかけられていることもありますので、必ず1ー2週間程度の余裕を持って最寄りの金融機関で両替を済ませておくと良いでしょう。金融機関の支店によっては、十分なドル紙幣の在庫が無い場合もありますので、注意が必要です。また、ワシントンDCでの両替については、交換レートが日本での両替に比べて著しく悪いので、こちらもご注意ください。

2. 日本企業発行のクレジットカード利用について
上述したとおり、米国での決済の中心はクレジットカードやデビットカードです。日本の企業が発行したクレジットカードは大部分のお店や企業、学校で受け付けられますが、ネットショップや食事のデリバリーサービスなどでは、セキュリティの関係上、使用できないケースが多いので注意してください。またガソリンスタンドで日本企業発行のカードを使用する際は給油スポットの端末では受け付けて貰えませんが、店員に「給油スポットの番号」「油種」「数量」を伝えると店内のレジで決済してくれます。加えて、スキミングの被害も急増しており、偽造カードの不正利用がされた場合は未遂であってもクレジットカード会社によってカードが無効化される可能性があります。新しいカードが届くまでの期間、決済手段を失う可能性もありますので、複数のカード会社のクレジットカードを複数枚持参されると良いでしょう、VISA、Masterなどは利用できる店舗も多いので便利かと思います。

3. デビッドカード、小切手、米国企業のクレジットカードについて
米国でデビットカードを発行するには、銀行口座の開設が必要ですが手続きに不安をお持ちの方も多いので、弊社でも口座開設のお手伝いをしています。銀行口座を開設していただくと小切手のサービスも利用できるようになりますので、必要であればご用命ください。また口座開設をして一定期間を経ると、米国でのクレジットカードの契約も可能となります。これは取引・決済履歴などから与信(与信審査)をするか否か、つまりクレジットカードを付与しても良い顧客かどうかをクレジットカード会社が審査するためです。

4. 本人確認書類(ID)について
米国では、お酒・たばこの購入時や、飲食店でのお酒のオーダー、ナイトクラブなどへの入店の際には必ず写真付きの本人確認書類の提示が義務づけられています。一般的にパスポートか米国内で発行された運転免許証、州政府発行の個人証、国際免許証、学生証、社員証などが有効とされています。お店によっては国際免許、学生証、社員証を受け付けてくれない場合もありますので、注意が必要です。

5. 飲食店でのチップについて
米国では飲食代金にチップを付加するのが慣習となっています。ワシントンDCエリアでは、飲食店で満足の出来る水準のサービスを受けられた場合、一般的に18%のチップを支払うこととなっています。ファーストフード店やスターバックスなどのお店では、釣り銭(小銭)をチップとしてチップ箱に入れる人も多くいます。一部の飲食店では課金された状態でレシートを出してくる店舗もありますので、渡された段階でよく金額を確かめるようにしてください。また、基本的に各テーブルごとに担当者が決まっているので、個々の担当者が受け取ったチップは各担当者のものですが、中には全てのチップを店で集めて再度人数で分けるというルールを持つお店もあるので、もし担当者のサービスが良くプラスアルファでチップをあげたい場合は、目立たないように現金で手渡してあげてください。もちろん、サービスの質が著しく悪い場合には、チップの支払いを拒否することや金額を減額することが出来ます。しかし、中には自分たちのサービスの質を棚に上げて、チップの金額に不満を言ってくることがあります。一部の店舗ではアジア人、とりわけ「日本人は争いを避けて言うとおりに支払うという」誤ったイメージが持たれていることがありますので、要求が適切では無く不当なものであったら、毅然と抗議してください。

6. 飲食店以外でのチップについて
飲食店以外でサービスを受けた場合でも、チップを支払うことは慣習となっています。これは飲食店同様サービス業に従事する人の基本給は安く設定されているため、収入の大部分をチップによって賄う必要があるからです。例えば、日頃の生活では以下のようなサービスを利用することが多いと思いますので、目安としてチップの金額やパーセンテージを示していますが、あくまでも目安として参照してください。

部屋の修繕などを依頼した場合:3ー5米ドル程度、あるいはケーキやお菓子など
ピザや中華料理のデリバリーを利用した場合 :3ー5米ドル程度、降雪・降雨時は5-8米ドル程度
タクシーを利用した場合 :利用代金の15%程度
理髪店・美容院・ネイルサロンでサービスを受けた場合 :20米ドル以下なら5米ドル程度、それ以上ならサービス料金の15%程度
コートクラーク、ポーター、駐車場係、コンシェルジュ、ベットメイキング係:2- 5米ドル程度

日も最後まで記事をお読みいただきまして有難うございました。記事の執筆には事前のダブルチェックなど万全を期しておりますが、万が一記載内容に誤り等があればお知らせいただければ幸いです。また、ブログ内で紹介している内容あくまでも一例として挙げているものです。