URTA代表の海野優です。あけましておめでとうございます。いつもブログを訪問いただきまして有難うございます。さて、2016年最初のブログでは日本政府とメリーランド州政府との間で結ばれた「自動車運転免許に関する合意」について情報を共有させていただきます。この合意により日本人の方の運転免許取得のプロセスが大幅に緩和されますので、これから運転免許を取得される方にとっては朗報といえます。

自動車運転免許に関する合意(概要)
メリーランド州に住む日本人のうち日本国内の運転免許を保有するものに限り、メリーランド州運転免許試験の一部(筆記試験および実地試験)を免除することになりました。

開始時期:2016年1月4日申請分より
免除となる試験:実技試験及び筆記試験
詳細情報:MVAウェブページ(“Foreign Reciprocity Agreements”の部分)を参照下さい。 

 自動車運転免許取得
米国では買い物や子どもの送り迎えなどで、自動車を使う機会が日本以上に多くありますので、なるべく早く自動車運転免許を取得されることをお薦めします。なお米国での運転のポイントや交通標識については「海外旅行と国際運転免許ガイド」さんのWebページに詳しく紹介されていますので、こちらも参照してみてください(参照Webページ)。

STEP1.必要書類の収集
必要書類1「運転免許証」
国外運転免許証ではなく、日本国内での運転の際に掲載する運転免許証をMVA (Maryland Motor Vehicle Administration)に持参します 。なお、日本を出国する前には必ず免許証の有効期限を確認しておくようにしましょう。
必要書類2「パスポート」
パスポートにて本人確認をされますので、必ずMVAに持参するようにしてください。
必要書類3「I-20」(学生のみ)
学生ビザで米国に入国されている方は、必ずパスポートとセットでMVAに持参してください。 
必要書類4「米国出入国記録(I-94)」
「米国出入国記録(I-94)」については、米国国土安全保障省のWebページから簡単に入手・印刷ができます(参照Webページ)。
必要書類5「自動車運転免許証抜粋証明」
この書類は日本で発行された運転免許証の内容を在米日本大使館が翻訳・証明するもので、発行手数料22米国ドル(現金のみ受付)と運転免許証、パスポートを持参のうえ、原則として大使館領事班を直接訪問する必要があります。翌日発行となっていますが領事班の仕事が空いているときは、即日発行して貰えることもあります(参照Webページ)。また、MVAが指定する民間の翻訳業者の翻訳でも可ですので、必要な方はMVAにて翻訳者リストを受け取って下さい。
必要書類6「住所確認書類」
住所確認のため、メリーランド州内に居住していることを証明できる書類が2つ(より正確な表現で言うと2つの発行元から出された書類)必要です。一般的にはアパートの賃貸契約書のコピーに加えて、公共料金の請求書、金融機関から郵送された明細書、公共機関(公立図書館や内国歳入庁)からの文書などを確認のため提出しますが、郵送されてきた書類は必ず封筒と中身を持参するようにしてください。アパートの賃貸契約書のコピーと内国歳入庁(IRS)からの税申告に関する文書は、非常に高い確率で受け付けてもらえますが、公共料金の請求書については担当者によっては受け付けられないことがあるようです。住所確認の認否は、MVA担当者の判断によるところが大きいので、念のため複数の発行機関から送付された郵便物を持参しておくと良いでしょう。賃貸契約書のコピーは居住するアパートの管理会社に依頼すると、すぐに渡してくれます。ご夫婦で運転免許申請をされる場合は、事前にアパートの賃貸契約の名義をご夫婦名義にしておかれるとMVAでの住所確認書類提出の際に便利でしょう。なお、弊社サービスを利用しておられるお客様で、名義を夫婦名義にされたい場合は事前にお知らせください。
必要書類7「社会保障番号/SSN」
米国では戸籍制度が無いので、個人を特定する際には社会保障番号が頻繁に利用されます。米国内に勤務先がある方は社会保険番号の取得が可能ですが、在外研修で派遣されている国家公務員の方や留学されている学生の方は、Social Security Administration (社会保障事務所)にパスポートを持参のうえ「運転免許が取得したいので、社会保障番号を持たない旨を証明する文書を発行して欲しい」と伝えて証明書(無料)を貰ってください。最寄りの社会保障事務所(Seabrook Office)はロックビル駅から徒歩15分の位置にあります。なお社会保険事務所の窓口時間は平日の朝9時から午後3時までですので注意してください(参照Webページ)。
必要書類8 「3時間アルコール・ドラッグ講習修了証明書/3-Hour Alcohol and Drug Educartion Certificate」
メリーランド州では交通事故の多くが、飲酒やドラッグの使用に起因するものであるため、近隣の州とは異なり、運転免許の取得に先立ってこれらの講習を受験する義務があります。ロックビル駅から徒歩15分の位置にある WhiteFlint Recovery, Inc.では、火曜日と土曜日に講習を実施していますが、土曜日はビルの玄関が施錠されているため、案内に従ってインターフォンのキーを操作する必要があります。事前に電話で講習の予約を入れて、パスポートと講習手数料50米ドル(現金のみ受付)を持参して講習に出席してください(参照Webページ)。なお、土曜日については受講者数が少ない場合が多く、受講者数が1名だと講習を実施してもらえません。受講者数については、土曜日の朝に講習会場に行かないと解らないため、土曜日に講習の受講を希望される方は、事前に友人や同僚とスケジュールを合わせて複数名で予約を取ると良いでしょう。講習では、最初にプレテストを実施し、受講者の知識を確認し、約3時間の講習を経て最終試験を受けて合格すると修了証が交付されます。修了証には住所地のカウンティ(郡)を記入する部分がありますので、事前に自分の住んでいる地域がどのカウンティになるかも確認しておきましょう。講習内容が英語であるため、理解出来るか不安がある方は、事前に無料で講習内容を公開している自動車学校のWebページを参照すると良いでしょう、個人情報を入力して会員登録をすると利用できるようになります(参照Webページ)。

STEP2.  必要書類の提出、情報登録、視力検査、写真撮影
2-1. 必要書類の提出
前項で明示した必要書類をまとめて、MVAに持参します。ここでは、メリーランド州ゲイサースバーグ(Gaithersburg)にあるMVAを例として説明を進めます(参照Webページ)。正面玄関からMVAに入ると、右手が自動車登録、左手が運転免許担当の部署になります。受付で持参した書類を全て提示して確認を受けますが、その際に米国に入国した日を聞かれますので、I-94を提示すると良いでしょう。受付が終わった時点で受付番号が渡されます。
2-2. 情報登録、視力検査、写真撮影、運転免許交付
左手手前にあるカウンターで情報登録を行います。この際に氏名、住所、生年月日などの情報に加えて身長と体重、脳死後の臓器提供の意思の有無を問われます。身長はフィート(30cm=1feet)、体重はポンド(0.45kg=1lb)で標記する必要があるので、事前に換算をしておくと良いでしょう。視力検査では視野と視力を計測するので、左から右にかけて表示された記号を読み上げ、コンタクトレンズの着用の有無を確認されます。運転免許証用の写真撮影を済ませ、手数料を支払うと原則即日で運転免許証が交付されます。


本日も最後まで記事をお読みいただきまして有難うございました。記事の執筆には事前のダブルチェックなど万全を期しておりますが、万が一記載内容に誤り等があればお知らせいただければ幸いです。また、ブログ内で紹介している内容は現時点(2016年1月6日)での情報ですので、特に運転免許証の取得については必ずお客様ご自身の責任で情報確認・収集のうえ手続きを進めてください。また、MVAまでの送迎や各種申請書類請求のお手伝いも弊社で行っておりますので、ご要望がありましたら、ぜひ弊社までご一報ください。